04 マスカット
果物の女王、マスカット・オブ・アレキサンドリア。
翠のような美しい黄緑色、ムスク(麝香<じゃこう>)を思わせる芳香と爽やかな甘みが魅力のブドウ、マスカット・オブ・アレキサンドリア。その原産地は北アフリカのエジプトで、地中海沿岸のアレキサンドリア港から各地に広まったのが名前の由来と言われます。美女として名高い女王クレオパトラも好んで食べたとか。このマスカット・オブ・アレキサンドリアの全国生産量の約9割を占めるのが、岡山県です。
そもそも高温で乾燥したエジプト生まれのこのブドウ、環境の違う日本での栽培は大変難しいものでした。そんな中、山内善男氏と大森熊太郎氏によって栽培が研究されます。明治19年(1886)、御津郡野谷村(現岡山市北区栢谷)にガラス温室を作り、明治21年(1888)には初の結果に成功。温暖で日照時間が多く、雨の少ない瀬戸内気候のおかげと、試行錯誤の結果、生産量を伸ばしていきます。その後も栽培技術の研究が重ねられ、現在、全国1位の生産量を誇るように。
岡山県では、マスカット・オブ・アレキサンドリアのほかにも、ピオーネ、グローコールマン、紫苑、瀬戸ジャイアンツなど、さまざまなブドウが栽培されています。